図書館司書の私的2023年本屋大賞1位の作品『川のほとりに立つ者は』レビュー

2023年4月12日に本屋大賞が発表されますね。

本屋大賞とは、全国の書店員さんがオススメしたい小説を投票して決まる
本屋さんの一大イベントです!(と私は思っています)

本屋さんのイベントですが、図書館も乗っかって図書館内で特集を組んだり、ノミネート作品を買ったりしています。

今回は、私が本屋大賞ノミネート作品を読んで、個人的に1位だと思った作品を紹介します。

目次

『川のほとりに立つ者は』について

著者:寺地はるな
出版社:双葉社
価格:1,500円+税

あらすじ

原田清瀬は、コロナ禍の中でカフェの店長として奮闘している。

ある日、清瀬の恋人・松木圭太が岩井樹という男性と殴り合いになって重体だと連絡を受ける。
清瀬は松木のある秘密が原因でケンカし、恋人が継続中なのかも微妙だと思いつつも、婚約者だと偽って彼の秘密を探ることに・・・。

彼の部屋で見つけたノート、友人との関係を探っていく清瀬。
調べていくうちに、自分が見ていた彼の姿や周りの人々の姿に変化が生じていく。

気に入った言葉

明日が、よい日でありますように

86ページ

誰もが同じことを同じようにできるわけではないのに、「ちゃんと」しているか、していないか、どうして言い切れるのか。

143ページ

手を差し伸べられた人間はすべからく感謝し、他人の支援を、配慮を、素直に受け入れるべきだと決めつけていた。

213ページ

『川のほとりに立つ者は』図書館司書の感想

主人公の清瀬の、「自分は正しい」と無意識に思っているような言動。
カフェの店長として仕事をこなす姿は正しそうだが(大きく間違っている指導はないのだが)、無知ゆえの言動や思い込みや自分自身の偏見のせいで起こしてしまう行動がある。

この言動を読むと、自分自身にも身に覚えがありそうで、読んでいてドキリとした。

物事を知ってても知らなくても、その人の行動の裏にあるものを【想像】することは大事だと思う。
人は、身近な他人を知ったつもりになっているけれど、それは相手の一部分にすぎなくて、相手の全てを知ることはできないことを、本書を通して感じた。

登場人物の言葉は、自称・常識人や正しいと思っている人の心をえぐってくる。
特に、発達障がい当事者が話す言葉は、きっと当事者が思っていることなんだろうと思えるものが多かった。実際、私もそう思ったことも多い。

現実味があるからこそ、本書は真に迫っていて、面白く感じられる。


しかし、読んでおいた方がいい小説だった。

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