女同士って怖い。
女ってめんどくさい(笑)
よく、こんな言葉を聞きませんか?
でも…どうめんどくさいのか、どんな風に怖いのか、ちょっと見てみたくないですか?
そんなアナタにぜひとも読んでほしい小説をご紹介します!
女同士の友情ってなんだろう。親友ってなんだろう。
そんなことを考えさせられる小説。
女性同士の人間関係に悩む女性だけでなく、「女って怖いよね」なんて言葉で思考停止してしまっている男性にもオススメです!
ナイルパーチの女子会
直木賞候補作にして、高校生直木賞受賞作品。
あらすじ
主人公は30代の2人の女性。 生まれも育ちも東京で、今も東京で働くバリキャリ女性・志村栄利子。 田舎から東京に出てきて、頑張らないがモットーの主婦ブロガー・丸尾翔子。 栄利子は忙しい仕事の合間に翔子が運営しているブログ「ダメ奥さん日記」を読むことを日々の癒しとしていた。 2人の共通点は、同性の友人がいないこと。2人はひょんなことからリアルに出逢い、意気投合。 しかし、プライベートだと人との距離感が掴めない栄利子のメールや言動に、面倒くさがりの翔子は次第に拒絶反応を見せていく。 栄利子は、上手くいっていた仕事で同僚の杉下と関係を持ったことが、派遣社員の高杉にバレてとんでもない約束をしてしまう。 翔子の方は実家での問題、そして栄利子に秘密がバレてしまう。 2人の出会いをきっかけに、彼女達のプライベートだけでなく、仕事や家族関係にまで影響が出てくる。 女性だけでなく、女性に対する社会の目も抉る作品。
刺さった言葉
《この世界で何よりも価値があるのは、共感だ、と思う。》(164頁)
《この世界で何よりも価値があるのは、共感だ、と思う。》(164頁)
この2つ、どちらも「共感」「同調圧力」が根底にあるように感じました。
日本人はこれらが強いと言われますが、女性は特に強いからこそ、結束が強い反面、一度反発してしまうと徹底的に排除するのでしょうか。
その二面性が面白く、ゾクゾクします。(他人事であれば…)
感想
文学YouTuberベルさんがオススメされていたのを聞いて、懐かしくなって再読しました。
ベルさんのYouTubeでの書評が気になる方は、こちらから飛んでください(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)っ
ブロガーとファンという、距離感のある関係の方が良かったと思わせるような栄利子の言動。そして翔子の実態。
2人の行動や考え方は離れているようでいて、どこか似ているところがあるように感じました。何が歪んでいるのか、何が間違っていたのか、どこをどうすれば良かったのか、それが一言では言い表せないところに本書の良さがあるように思いました。
女性に対する偏見、女性への思い込み、同性に好かれない女性に対する見方、これらについて考えさせられる小説でした。 現代のままならない人間関係に悩む色んな世代に刺さる小説です。
メディア
本書は土曜ドラマ9で、水川あさみさん主演でドラマ化されています。 水川あさみさんが志村栄利子を、山田真歩さんが丸尾翔子を演じています。 本書の全てをドラマ化しているわけではないため、小説を読んでからドラマを見ることをオススメします。
また、コロナ禍での放映だったためか、コロナ禍でバージョンの『ナイルパーチの女子会』が展開していました。そこの違いを見てみるのも、面白いかもしれません。
試聴できるサイトについてはこちらをご覧下さい。
ぜひ、読んでみてください!
まとめ
本書は女同士、女性の気持ちや生態についてえぐり出されるような苦味を感じさせる小説です。
女性同士の関係をめぐる小説なのに、女に対する女の視点や男の視点もグサグサくる言葉が随所に散りばめられています。
このグサグサ刺さる感じが心地よく面白いです。
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