読書したい!けれど、何から読んだらいいのか分からない。いろんな人が書いているアンソロジー的なものが読んでみたい!
そんな人にオススメなのが『はじめての』です。
《はじめての》読書体験にもオススメの1冊。
4人の直木賞作家とYOASOBIとのコラボレーション。
YOASOBIについて
コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる、「小説を音楽にするユニット」 。
2022年2月より、島本理生・辻村深月・宮部みゆき・森絵都という4人の直木賞作家が原作小説を書き下ろし順次楽曲を発表していくというプロジェクト『はじめての』を始動。楽曲・小説・映像とさまざまな表現にその活動の幅を広げている。
公式サイトはこちらです。
直木賞(直木三十五賞)とは
直木賞とは、新聞・雑誌(同人雑誌を含む)または単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中で、最も優秀なものに授与される賞であり、当初は無名・新進作家が対象だったが、現在は中堅作家が主な対象となっている。
直木賞・芥川賞についての参考サイトはこちらです。
作家紹介
島本理生
島本理生さんは2018年『ファースト・ラヴ』で直木賞を受賞。思春期の繊細な感情を鮮やかに表現し、若い読者からの支持も高い。
辻村深月
辻村深月さんは、2012年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。思春期の心の痛みや不安を生々しく描きながらも、爽快なカタルシスのある作風で、多くの読者を得ている。
宮部みゆき
宮部みゆきさんは、1999年『理由』で直木賞を受賞。時代小説、SF、ファンタジーからホラーまで、様々なジャンルの作品に多数のファンを持つ。
森絵都
森絵都さんは、2006年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞を受賞。絵本・児童文学から大人向けの作品まで、愛とユーモアに溢れる筆致で幅広い世代に親しまれている。
『はじめての』
内容紹介
私だけの所有者(島本理生:著)
はじめて人を好きになったときに読む物語。
手紙のやり取りで話が進む、書簡体小説。
ある国で作られた人型人工知能が主人公の「僕」は高性能である。今はとある島で保護されている。
「僕」は家事手伝いのために14歳という設定で、Mr.ナルセ氏という男性のもとに派遣された。その話を保護された島国の女性研究者に手紙で書いている。
Mr.ナルセと「僕」に一体何があったのか、「僕」が保護された理由はなんなのか。
ユーレイ(辻村深月:著)
はじめて家出したときに読む物語。
主人公の女の子は「もう帰れない」という思いを胸に家を出る。夜遅くに海辺の駅で降りた彼女は、海辺のところに花束と花火が供えられているのを見つける。
誰かが死んだのだと思っていると、ふいに声を掛けられて白いワンピースを着た女の子と出会う。
「花火をしよう」と女の子に誘われるまま、2人で花火で遊ぶ。
家出少女は、女の子と出会う前に見た花火、それが気になって仕方がない。
色違いのトランプ(宮部みゆき:著)
はじめて容疑者になったときに読む物語。
平行世界が存在する日本。
自分の娘・夏穂が国に保護された。どうやら、向こうの世界の夏穂がテロを起こしたらしい。夏穂に軽蔑されている父親は、正義感の強い娘を連れて帰ろうと保護局に足を向ける。
夏穂と向こうの世界の夏穂の抱えていた大きな秘密とは・・・。
ヒカリノタネ(森絵都:著)
はじめて告白したときに読む物語。
小学校2回、中学校で1回、合計3回の告白に失敗している少女。
しかし今回の告白したい衝動は今までとは違う!過去3回の告白は子どもじみたものだったんだ。
そう思った主人公の少女は友達の力を借りて、過去へタイムスリップすることを決意する。
「変えられる過去は告白に関することだけ。」「一度変えた過去は変えられない。」
少女は、過去を変えて告白を成功させることができるのかーー。
感想
各話の書名からは想像もつかないような場面設定やラストでした。
さすが直木賞作家!という感じで、短編なのに長編小説を読んでいるような濃密感がありました。
それぞれの作家さんの世界観が違うこともそうですが、内容も全く異なる色合いなので、初めての読書体験としてもオススメだと思います。
私は「私だけの所有者」がお気に入りです。「僕」のその後も知りたいですし、YOASOBIの楽曲をサビ部分のみですが聴いたときに楽曲もですがMVに感動しました。
今月から小説をもとにしたYOASOBIによる楽曲がゾクゾク配信されています。
小説とともに楽しむと、より小説の世界観に浸れるかもしれませんね。
まとめ
はじめての読書体験は、その後の人生における読書感を決めるものだと思います。
本書を書かれている女性作家さん達は、いずれも直木賞作家であり、児童文学でも有名な方ばかりです。
本書で面白いと思った作家さんがいましたら、ぜひ同じ作家さんの別の作品を読んでみてください。きっと、新しい世界の扉が開けると思いますよ。
ダ・ヴィンチニュースにて、エンタメの理想像として記事が出ていました。良かったら併せて読んでみてください
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